並木 慈子さん

並木慈子さん写真
  • 並木慈子さん 茨城県在住
  • 第1子/中学3年(男)
  • 第2子/小学5年(男)
  • 第3子/小学1年(男)
    ※掲載の年齢は取材時のものです。

写真撮影協力:慈子さんの息子さん

農業大国茨城のなかでも広大な農地が広がる鉾田市でパワフルに農業に携わる傍ら、カメラマンとしても活動されている並木慈子さん。ぬくもりのある人物写真に定評があります。元看護師。
https://www.kazokuphoto.pictures/

発達障害?とにかく時間がかかる

第一子の長男が
年少から年中になるくらいが
一番つらかったですね。

目線は合うけれど
目の前のことに集中して他は見ない。
人の話は聞いてない。
聞いても返事はこない。
発達障害だと思っていました。

たとえば
年中さんから幼稚園に通うようになったんですが
歩いて10分の幼稚園に
手をつなぐことができなくて
なんだかんだで30分かかったり。

幼稚園にお迎えへ行っても
いるはずのテラスにいなくて
一人園内を走り回っていて。
やっと来たと思ったら
今度は園庭から出るのに時間がかかる。

あとは
公園に行こう!と言ってるそばから
トミカで遊び出し
結局公園に行くまでに1時間。
帰ってくるのも1時間。

赤ちゃんの次男も連れていましたから
本当に大変でした。

目的があっても
すぐ近くのものに気が散って
ゴールに進めないんですよね。

児童精神科での診断

幼稚園入園後1年くらいたってから
友人の精神科医に相談すると
臨床心理士を紹介してくれて
すぐ診てもらいました。

そうしたら
IQは問題ないし
「この子はできてるよ」と
言われました。
正直、その言葉に救われました。
とても安心しました。

でも、性格的に大変だろうから
タイムシフトを作ってみてはどうか?と
言ってくれました。

いまはこの時間、いまはこの時間、
と、時間ごとに区切って
説明も端的にすることで
理解しやすくなる、と。

それで少しずつ改善されましたかね。

でも、いま思えば
友人は私のことを見て
これは受け入れられないだろうと
配慮して
「問題ない」と
言ったんじゃないか?と思います。

私がもっと強ければ
適切な療育を
受けさせられたんじゃないかと
後悔することもあります。

長男は春から高校生になりますが
いまでも対人関係を築くのは
苦手ですね。

ワンオペで仕事との両立

長男が産まれた頃は
夫は朝8時に出勤して
夜22時に帰宅するような生活でした。

私は看護師をしていましたから
長男を託児所にあずけながら
働いていました。

次男出産後は専業主婦になり
三男出産後は週2ペースで
また働きはじめました。

仕事の内容が
デイサービスで
お年寄りのサポートをすることでしたから
職場で笑顔を使い果たして
家に帰るとスイッチオフで
ぐったりしていましたね(笑)

ワンオペでした。
でも当時はまわりもみんな
ワンオペだったから
当たり前の感覚で
しんどいとは思わなかったですね。

いま、夫が家事を
やってくれるようになって
はじめて
「あの頃の私、めちゃめちゃ
 がんばってたな」
と、思います。
ほんと、世のお母さんがたは
がんばってる!!


生活が一変!夫と子どもの距離感

夫は目の病気で視力がどんどん
下がってきていました。

このままサラリーマンは
続けられないということで
話し合った結果
私の叔父夫婦の農業を
手伝うことに決めたんです。

それで、住み慣れた川崎から
茨城県鉾田市に家族で引っ越しました。

子どもたちの学校の雰囲気も
全然違うし
仕事もイチからだし
慣れない地で色々と苦労しました。

川崎のほうでは
ほとんど子どもたちの成長を
みることがなかった夫が
いつも居るわけですから
子どもたちとの衝突もありましたね。

とくに長男の性格に対して
夫がイライラすることが多かったです。

いつもそばで長男の成長を見てきた
私からしたら、
「こんなにできるようになったんだから
 十分だよ~!」
と思えるようなことも
夫は
「なんでできないんだ!?」
となる。

長男の反抗期も重なって
よく喧嘩していました。

最近は一緒にいる時間も長くなって
お互い理解できるようになって
落ち着いてきましたね。

やっぱり一緒に過ごすって
大切ですよね。

長男は転校してから
なかなかお友だちができず
学校へ行き渋るようになりました。

人間関係が苦手ですからね。
毎日楽しそうじゃない長男をみて
引っ越ししたのを後悔することもありましたね~。

ゲームを通じて
お友だちができるようになってからは
学校にも行けるようになりました。

親の心が試される受験

なんせゴールに向かって進むのが
苦手な長男ですから
受験勉強をするのも大変です。

ゲームを仕事にしたいと言っているので
ゲームはあまり制限していませんでしたが
休みのたびにずっとゲームをしているので
さすがに
「勉強しろ!」って
言っちゃうんですよね。
「あと〇か月しかないよ!」
とか。

言っちゃいけないって
よく言うじゃないですかー!
でも
言っちゃうんですよね~泣

ゲームをやめて勉強する!と
言った時期もあったんですが
そのストレスで
まったく勉強に集中できなくて
今度はYouTubeとか見始めて。

結局、ゲームもやりながら
なんとか勉強するスタイルに
落ち着きました。

でもま、行きたい高校に
合格したので
ほっとひと安心です!

手作り料理へのこだわり

長男と三男は
軽い卵白アレルギーがありました。

発達障害が気になる子は
腸が弱いとも聞いたことがあります。

なので、タンパク質とか
鉄分などを気にして
摂らせています。

腸ってタンパク質でできてるでしょ?
だからタンパク質摂るのは
大事みたいですよ。

食事づくりは
結構こだわっていましたよ~。

凝った料理とか
作るの好きなんですよ。
サムゲタンとか、
イチから作るタイプです。

だから
『ちゃんとご飯を作るお母さん』
で、いたかったんですよね。
手を抜いちゃいけない!とも
思っていました。

とくに長男の小さい頃は
お弁当は絶対全部手作りにこだわって。

でもね、
手の込んだものよりも
テキトーに作ったもののほうが
子どもたち喜ぶんですよ~!

次男・三男になってからは
冷凍食品も使いまくってます(笑)
手抜きでいいの!

あ、手抜き料理といえば
冷しゃぶは簡単でいいですよ~
洗い物も楽ですよ♪

夫の家事協力を増やす

夫のサラリーマン時代は
家事なんて全くやりませんでした。

もともと夫は
私に専業主婦を望んでいましたしね。

でも少~しずつ
家事をお願いしていきました。

最初は
私の妊娠中に風呂掃除するのを見て
大変そうだなぁと
代わってくれたんです。

それから
ゴミ出しをお願いするようになり

土曜日は私が働くようになりましたから
昼ごはんを作ってくれるようになり
晩ごはんも作ってくれるようになり。

少しずつ、
教育していくんですよ(笑)

三人三様の男兄弟

長男はそんな感じで
なんでもテキパキとはできない
性格ですが

次男は几帳面で神経質。
すごくまわりの空気を読んでいますね。

長男が怒られているのを見てますから
先回りして行動します。

3歳の頃から自分の身支度は
全部自分でやるような子です。

しっかりしているので
ついつい次男を大人扱いして
頼ってしまうことがありますね。

感謝されるのが好きなので
「〇〇がいてくれて良かった~
 〇〇がいなかったら
 お母さんはこの家でやっていけないよ~」
と、いつも言っています(笑)

三男は自由奔放ですね。
でも三男も空気を読みながら
動いていますね。
やっぱりお兄ちゃんを見て
育ってますから、
うまく先回りしてます(笑)

二人ともお兄ちゃんのことが
大好きですね。

並木慈子さん 素敵な子育てエピソードを
ありがとうございました!